2015-12-10

ジェット機パイロットになりました。

 どうもお久しぶりです。 ちゃんと生きています(笑)。 

 前回の投稿からかなり時間が空いたのには理由がありまして、実は最近になって今まで乗っていたターボプロップ機「Dash-8」乗務から、ジェット機「CRJ」乗務に異動になりまして、そのための訓練を受けていました(今もまだ訓練中ですが)。 この訓練が長くて、10月末に始まり、11月中は10日ほどの休みを除いてあとはずっと訓練、そして12月も中旬まで訓練というスケジュールでした。 昨日、CRJのPilot Proficiency Check (PPC)に合格しまして、僕にとっては初めてとなるジェット機の操縦資格を取得しました。 訓練内容などについてはまた後日別の投稿で書こうかと思います。

 CRJという飛行機は「Canadair Regional Jet」という名前の頭文字を取ってつけられた名前で、「シーアールジェー」と一般的に呼ばれます。 略して「RJ」と呼ぶ人もいます。 この飛行機、カナダ・ボンバルディア社が製造している小型ジェット機で、日本でもJ-AIRとIBEXなどが飛ばしています。 僕が働く会社ではCRJ200という型と、CRJ705という型の2種類を運航していて、僕はそのどちらにも乗務することになります。

 (写真上:J-AIRのCRJ-200 ウィキペディアより引用)

 CRJ-200は50人乗りの小型リージョナルジェット機です。 もともとはボンバルディアが製造している「Challenger」という飛行機をベースに胴体を引き伸ばして作られた飛行機なんだそうです。 この「チャレンジャー」は世界各国の裕福なセレブ達のプライベートジェット機として人気の小型ジェット機です。 

(写真上:一般的なCRJ-200のコクピット内 同じくウィキペディアより)

 CRJのコクピットは通称「グラスコクピット」と呼ばれるもので、従来の計器類をほぼすべてCRTスクリーンなどで置き換えたデザインになっています。 真ん中の2画面がEICAS(アイキャス)Displayという画面で、そこに主にはエンジン計器類や着陸装置、フラップの位置情報、または乗務員への警告メッセージなどが表示されます。 各操縦席の前にはPFD, MFDと呼ばれる画面が計2つあり、それらで飛行機の位置や姿勢の情報などを表示できるようになっています。 今まで乗っていたDash-8は古風な飛行機(笑)だったので針で表示されるタイプの計器がたくさんありましたが、今回のCRJはだいぶモダンな感じがします。
 
 
(写真上:CRJ-900 またまたウィキペディアより)

 CRJ-705は、CRJ-900という飛行機の座席数を75席に減らし(契約上の理由によるもの)、Jクラス(ビジネスクラス)を設定した配列になっている飛行機です。 CRJ-200に比べると胴体が長く、とても凛々しい「飛行機らしい」見た目になっています(個人的な見解ですが)。

 日本ではあまりCRJに乗る機会はないと思いますが、北米ではとてもポピュラーな飛行機です。 ヨーロッパでもCRJを運航している会社(リージョナルエアライン系)が多いそうです。 
 
 だいたいのお客さんはCRJ(またはDash-8もそうでしたが)を初めて見ると「んやだ〜、ちいさ〜い(苦笑)」という声を上げます。 確かに日本でよく見るボーイング737やエアバス320などと比べたら小さいです。 ですが、CRJは実際はスポーツカーみたいな高性能をもった飛行機なのです。

 巡航高度、巡航速度などを見ると他の中型〜大型旅客機に匹敵する、もしくは上回る性能を発揮します。 実際、以前にエアバスのコクピットのジャンプシートに乗っけてもらった時、その上2000フィートを僕の会社のCRJ-705がすいすい〜っと追い抜いていったことがあります。 その最高速度、約マッハ0.82~0.85となっていますから、限りなく音速に近い速度で巡航することができます。 こりゃすごい!(笑) 
 
 ジェット機の飛行経験があると将来に役に立つということで今回ジェット機乗務への異動をリクエストしました。 今まで飛ばしていたDash-8にもようやく慣れ、毎日のフライトが普通にこなせるようになって楽しくなっていたところで今回の異動。 またゼロからのやり直しです。 さすがにこの会社で2年弱働いてきたので運航の基礎はわかっています。 ですから、今回の訓練は初めてDash-8の訓練を受けた時よりはスムーズにいったという感じがしましたが、やはり新しいことを学ぶにはかなりのエネルギーが必要になるということを再確認しました。 脳がとても疲れました(笑)。 しばらくは訓練は遠慮したい気持ちです。
 
 あと数日で訓練プログラムもすべて修了します。 そしたらようやく自宅に帰れます。 自宅で4日ほどゆっくりしたあと、line-indoc(実際のフライトを通して行うOJTのようなもの)が始まります。 これをクリアして、最終的にline checkをパスすると晴れて一人前の副操縦士として認められることになります。 CRJだと飛ぶルートも、速度も、目的地も違うので、これも学び直さなければいけません。 しかも、JFKやWashington DCといったアメリカの忙しい空港にも行くこともあります。 そう考えると結構緊張します。 Line indocでは最初はカナダ国内、それからアメリカのヒューストン(テキサス州)まで飛んでいきます。 ヒューストンは片道4時間近くのフライトです。 今までは最高でも2時間くらいしか飛ばなかったので、そういうところも慣れていかなければいけません。 
 
 なにはともあれ、ジェット機のパイロットになれたというのはとてもうれしいです。 今までDash-8を飛ばせたことにも感謝しています。 飛ばしていて楽しい飛行機でしたし、一緒に飛んだ機長達もいい人が多くて良い経験をいっぱいできました。 これからはジェットなのでだいぶ環境が変わりますが、きっと楽しいことが待ち受けていると信じて、頑張っていこうと思います。
 
 以上、ご報告でした。
 
 
(つづく)
 



2015-10-15

9年が経ちました。

 今年も明日が10月15日。 パイロットになると決めてカナダの地を踏んでからあっという間に9年が経ちました。 いよいよ10年目突入です。 9年間の間には仕事の面でも私生活の面でもいろいろなことがありました。 仕事に関してはある程度満足の行く達成度に辿り着けているように思います。 ずっと夢見ていたエアラインパイロットとして仕事をさせてもらっていますし、それで何ら不自由のない生活ができています。 大きな病気もせず、ここまでやってこれました。 自分自身の努力だけではここまではこれなかったと思います。 今まで僕の好きなようにさせてくれた母親、ここカナダでいつも助けてくださる先輩方、日本に帰るたびに時間を割いて会ってくれる友人達。 本当にありがとうございます。 これからもこの調子で頑張っていければいいなと思います。 

 僕がカナダに来た9年前の今日はまだまだ暑かったことを覚えています。 到着してすぐにサイクリングに出かけ、カナダらしいカエデの葉っぱがたくさんサイクリングロードに落ちていたのが印象的でした。 今年はその頃に比べると少し寒いかな?と思います。 日中は暖かくなりますが、朝晩は冷え込みが強くなってきました。 先週は今年始めて飛行機に霜が降りていて、出発前に氷を落とすためのde-icingをやりました。 De-iceをするときには、出発ゲートを離れてからde-icing bayという場所まで移動します。 移動の前には無線で「これからそちらに向かいますよ〜」的な連絡を入れるんですが、そのやり方をすっかり忘れていました(笑)。 その日飛んだ機長も同じ感じで、一緒に1年前にやった手順や周波数などを確認しながらde-ice bayに向かいました。 一度やると勘が戻ってきたので、次からはスムーズにできると思います。 今年もまた雪や氷と戦う季節がやってきました。 面倒臭いです(笑)。

 ここ最近はロッキー山脈も雪化粧をしています。 デットヘッドの写真ですが、新雪が見れると思います。 やっぱりロッキーは雪を被ったほうが「それっぽい」と思います。 
 




 今年こそはカナダでスキーに挑戦したいな〜と思う今日このごろです。  



(つづく)




2015-09-23

日本で夏休み その2

 なんやかんやありましたが、なんとか成田行きの便に乗れました。 機材はドリームライナー(ボーイング787型機)。 以前にも乗ったことがある、とても快適な飛行機です。 あいにく3列席の真ん中。 となりの高校生らしい白人は態度が悪く、ずっと寝てました。 反対側は中国人のおばあちゃん。 どうやら家族で旅行しているようですが、息子(孫?)は通路を挟んで反対側に座っていて、イヤホンをしてゲームに夢中。 おばあちゃんは明らかに飛行機に慣れていない様子。 シートベルトの締め方もわからないし、エンターテイメントの画面の操作も当然わからない感じ。 なんだか可哀想になってしまって、フライトアテンダントの人にイヤホンを持ってきてもらって、それをおばあちゃんに渡し、勝手にエンターテイメントで中国映画を選んであげました。 そしたらおばあちゃんはますます陽気になり、がんがん喋ってきました(笑)。 なんにもわからなくて飛行機に乗るのは大変ですよね。 少しでも楽しんでくれたらいいな〜と思いました。

 成田に着き、SIMカードを購入後、リムジンバスで羽田に移動。 そして小松空港行きの全日空機に乗りました。 日本では「Employee travel pass」とかっていっても通用しないことが多く、今までは「カナダの〇〇系の航空会社で働いているんですが」っていっていました。 今回もそうしようと思ったら、感の良い地上スタッフの方が「あ、スタッフトラベルですね〜」って言いました。 なるほど、日本では「スタッフトラベルって言えばわかってもらえるんですね」と納得。

 実家についたのは夜でした。 暗闇の中、田んぼの側を歩いていたら、いきなり「ミンっ」っていう音が聞こえ、めちゃくちゃ驚きました。 そうでした、日本にはセミがいるんです。 カナダにはいない(少なくとも僕が住んでいるところの周りにはいない)ので、久しぶりの蝉の声にビビりました(笑)。

 次の日、福井駅前のレンタカー屋さんで軽自動車を借りました。 日本で車を運転するのは実に9年ぶりくらいです。 レンタカーも結構安くなってきたんですね〜。 3日間車を借りました。 左側通行はそんなには難しくありませんでしたが、周りに車がいないとついつい右側に行きたくなってしまいます(笑)。 母親を乗せて親戚の家に言った時も、ついつい右側を走ってしまいました。 車が多いところだと他の車についていけばいいので右側を走ることはありませんけど。 あと、やっぱりウインカーとワイパーを間違えて、晴天なのにワイパーを動かしていました。 



 親戚の家に遊びに行った以外には、念願の海での釣りにも出かけました。 浜でのキス釣りがずっと前からしたくてしたくて。 そのためだけに帰国したといっても過言ではありません。 子供のころは海まで釣りに行くには自転車で行くしか方法がなかったので、おとなになって車を持つ日が来たら海に釣りに行くと決めていました。 ところが、車を持ったあとも住んでいたのは大阪だったり、なんやかんやで忙しく、そしていつのまにかカナダ行きを決めてしまって車を売却することになってしまったので、「車で海釣り」の夢は果たすことが出来ていませんでした。 それが今回、ようやく叶いました。 






 結局、釣れたのはシロギス3匹だけでしたが、釣りにいけたということだけで満足でした。 シロギスは母親に天ぷらにしてもらい、おいしく頂きました。 



(つづく)

2015-09-18

日本で夏休み。

 先月の終わりから1週間ほど日本に帰国しました。 今回は、前々からず〜っとやりたかったことの一つ、「日本で釣りがしたい」という希望を叶えるために帰国しました。

 出発当日、いつものようにスタッフトラベルでシートをブッキングしてあって、混み具合を見てみても全然問題ありませんでした。 Air Canada rouge(ルージュ)のバンクーバー・関空便で帰国するつもりでビクトリアからバンクーバーへ向かいました(これはいつも僕が飛ばしている路線なので、お客さんとして乗るのはなかなか新鮮です)。 バンクーバーに無事到着、国際線ターミナルの方に向かい、ゲートで搭乗手続きが開始されるのを待ちました。

 この便、空席が80席近くあり、余裕だな〜♪なんて思っていたのですが、まさかの展開に・・・。 前日に既に席が割り当てられていたので、搭乗手続きが開始されたらゲートに行って、パスポートと搭乗券を見せて、さ〜帰るぞ〜!って思っていたら、ゲートで搭乗券をスキャンしたら嫌な音が(苦笑)。 地上係員の人に

「あなたの席はないみたいですね」

って言われました。 ん?? どういうこと? 80席以上も空席があるのに、乗れないの? って思っていたら、日本人の係員の人がぼそっと、

「load restrictionがかかっているんですよ〜」

って言いました。 

 Load restriction。 つまり、重量制限。 いや〜な汗が流れました。 結局、出発の数分前にドアが閉められ、僕は乗れず、そのボーイング767は僕を残して大阪・関空に向けてプッシュバックを開始しましたとさ・・・(涙)。

 後で聞いた話によると、ちょうど大型の台風が関西付近を通過するという予報が出ていて、そのためにどうやらパイロットはいつもよりも余分に燃料を積んでいたようです。 まあ、それはわかるとしましょう。 でもねでもね、たった体重60キロほどの細身の僕一人くらい乗せることはできるんではないの〜?っという気持ちにもなりましたが、そこは機長の判断です、どうしようもありません。

 仕方なく、ゲートに残り、携帯ですぐさま東京行きの便に乗れるように手続きをしました。 出発は1時間半ほど後だったと思います。 その便もそこそこ空席があったので、今回は大丈夫だろうな〜と思ってゲートへ。 またも同じ係員の人で、「今回は乗れますよ〜♪」っと声をかけてもらえ、ちょっと安心。 待っている間に東京から小松空港までの便の予約もスタッフトラベルで入れ、これで一安心。 今回はなんとか乗れましたが、3列席の真ん中の席で、高校生らしい態度の悪い若者と、英語がまったくわからなくて、中国語で僕に話しまくってくるおばあちゃんの間に座っての9時間ほどのフライトになりました。 スコッチとウイスキーのおかげでそれほど苦にはなりませんでしたけど。


(つづく)


2015-08-16

乳房雲。

 ここしばらく特に雷雨もなく、穏やかな気候になったな〜って思っていたら、やっぱり夏はまだまだ本番のようで、積雲やら積乱雲やらがカルガリー周辺に発生することが多々ありました。 

 昨日の最後のフライトで、エドモントンからカルガリーまでの便でのこと。 途中から雲の中に入り、外が見えない状態でフライトしていました。 予報ではちょうど我々が到着するころに30%の確率で積乱雲が発生するとなっていました。 当然ながら気象レーダーをONにし、前方に積乱雲らしい雲がないかに気を張りながらフライトしていました。 途中で雨が降ってきました。 でも、レーダーにはまったく反応がありません。 さほど水分を含まない雲なんだろうと思いながら飛行を続けました。 しばらくすると、どんどん乱気流が強くなってきました。 そしたらいつの間にかレーダーには真っ赤な雲のイメージが映し出されていました。 レーダーに映しだされるイメージは緑色(まあたいしたことはないけど、水分を含んだ雲)、黄色(そこそこ水分がある雲=揺れる、着氷の可能性もある)、そして赤(たっぷり水分を含んでいて、乱気流、着氷、その他もろもろあるので絶対避けたほうが良い雲)という風に色と形で雲の状況を表示するようになっています。 赤いレーダー反応があったので、急いで管制官に右方向に進路を変更する許可をもらい、進度を20度ほど右に降りました。 結構揺れたのでお客さん達も怖かったんじゃないかな〜と思います。 結局数分で雲を抜け、後ろのほうをみてみるとまあ立派な積乱雲がありました。 レーダーは便利だけど、たま〜にあてにならないこともあるんですよね。 一昨日のフライトでも積乱雲を避けてフライトしまして、それも結構揺れました。 

 カルガリーに到着後、空を見上げると乳房雲っぽい雲が出ていました。 英語では「mammatus(ママタス) cloud」という雲です。 ぼこぼことした「こぶ」のようなものが見える雲のことで、これが見えるときは乱気流などが起こりやすく、一般的には避けたほうが良い雲とされています。 僕が事業用操縦士の資格のための勉強をしていたときにこの雲のことを気象の授業で習った記憶があります。 Mammaっていうのがラテン語で「乳房」という意味らしく、こぶが乳房のようなのでその名が付いたそうです(ウィキペディアより)。 Googleで「乳房雲」と検索してもらうともっと凄い写真がいくつも見れると思います。


 昨日まで約2週間の連続勤務で、昨日の夕方に自宅のあるビクトリアに戻ってきました。 今日から5連休です。 キッチンのタイルの張替えなんかをしてみようかな〜なんて目論んでYouTubeを見ながら勉強しています。


(つづく)

2015-08-02

乾燥。

 一昨日まで約10日間の連勤でした。 勤務時間(duty time)には制限があるため、途中で1日だけ休みがありましたが、それ以外はずっと仕事でした。 僕はだいたい毎月、次月のスケジュールのリクエストを出す時には「長い期間連続勤務」をリクエストしています。 まだ今の会社で働き出して1年半弱ですが、セニオリティーがだいぶ上がってきたおかげか、リクエストしたらだいぶそれに近い内容のスケジュールがもらえるようになってきたように思います。 今月は12日間働いて5日間休み、それから5日間働いて7日間休みというスケジュールです。 そのため、今月は通勤するのは2往復で済みますからラッキーです。 しかも、仕事の途中でビクトリア泊が3日もあるので、長い間留守にはしますが、途中で家に帰ってこれるので悪くないと思います。 ただ、ビクトリア泊の日は午後1時過ぎに仕事が終わるのは良いのですが、次の日の朝は4時過ぎにチェックインしなければならず、空港までの運転時間も考慮すると朝3時起きになるので少々ツライです。

 カナダは夏真っ盛りという感じです。 最近は短パンTシャツという格好でも暑い日が続いています。 僕が住んでいるブリティッシュコロンビア州は今年はだいぶ乾燥していて、いたる所で山火事が起きています。 フライト中に見かけることも度々あります。 僕の元教え子で、現在山林火災専門の消防士をしている友人の話によれば、今年の山火事は過去最悪らしく、現在でも100箇所以上で火事が起きているんだそうです。 こちらの山火事の消火作業には通称「water bomber」と呼ばれる水陸両用の飛行機を使って、上空から一気に何千リットルという量の水や消火剤をばらまきます。 小規模な火事の場合にはヘリコプターも使いますが、たいていの場合は大きな飛行機で湖や海で水をすくって、それを落とすという感じのようです。 水不足も深刻化しているようで、バンクーバーのほうでは庭の芝生に水をやることが禁止されているそうです。 

 写真はバンクーバーからカムループスまでのデッドへットフライト中に撮影したものです。 もともとカムループス周辺は乾燥地帯で、木々がなかなか育たない土地らしいですが、それでも今年は幾分乾燥の度合いが進んでいるように見えます。 それでも、川沿いの耕地には青々とした穀物のようなものが育っているようにも見えます。 ちなみに全体的に暗いのは雲の影が写っているからです。


 明日からまた仕事です。 来月初旬にも1週間くらいのお休みがまとめてとれたなら、また日本に一時帰国しようかな〜と目論んでいます。


(つづく)

2015-07-16

+TSRA。


 昨日まで6連勤でした。 最初の5日間はスケジュール通りの勤務で、最後の1日はovertime、つまり「残業」でした。 僕が勤めている会社では、スケジュールが許す限り残業をすることができます。 パイロットの中には結構必死に残業をして残業代を稼ぐ人もいるようです。

 この残業にもいくつか種類があって、会社からお願いされて働く場合と、自主的に働く場合があります。 僕は通勤族なので、会社のクルースケジューラーから電話がかかってきて「ちょっと残業してくれない?」って聞かれるときはだいたいの場合はビクトリアに戻ってきているので、カルガリーから出発するフライトの残業はできない場合が多いです。 今回の残業は、ちょうど時間的に余裕があったのでココぞとばかりに自主的に残業を願い出て、たまたまスケジュールに合うペアリングが空いていたので、それをピックアップした形です。 

 残業とはいってもとても簡単なフライトで、カルガリーからエドモントンに行き、すぐさま引き返してきて終わりというペアリングでした。 楽チンで、残業代ももらえて最高〜♪って思っていたら、やっぱり現実はそんなにあまくはありませんでした。

 乗務開始1時間前に空港に向かっているとき、カルガリー上空に大きな雷雲が発生し、雹(ひょう)が降っていました。 航空天気予報には「+TSRA」の文字。 +はheavy、TSはThunderstorm、RAはrainの略で、「雷・豪雨」的なニュアンスの意味になります。 外に止めている車まで歩いて行くと、道路が水浸しで川みたいになっていました。 それも20分ほどで止み、雷雲が通り過ぎるとまた明るくなってきました。 

 カルガリーからエドモントンまでのフライトはなにも問題ありませんでした。 エドモントンでお客さんを降ろし、さ〜カルガリーまで戻るぞ〜って思って準備をしていました。 Clearance Deliveryにフライトの許可をもらい、お客さんも搭乗開始し、さ〜、ドアをしめて出発〜!って思っていた矢先、管制官から無線が入り、

 「カルガリーへのflow controlが始まって、あなた達の離陸許可時間は00:50zです」
  
 っていうではありませんか。 

 「Flow control」っていうのは、管制官がさばくことができる飛行機の数を超えた場合などに離着陸する飛行機の流れを調整する目的で離陸時刻を指定されたりすることを指します。 予定の出発時刻は23:40分だったので、定刻よりもなんと1時間も後にしか出発してはいけないということです。 ちなみに「z」はzuluで、イギリスのグリニッジ標準時のことです。 

 僕:「確認ですけど、今、0050zっていいました?」
 女性管制官:「そ〜なのよ〜、びっくりよね〜?(笑)天気のせいみたい。」

 僕はカルガリーに到着45分後に出発する便でビクトリアに戻ってくる予定だったのに、 これで予定が狂うと思い、がっかり。 でも、仕事は仕事なので仕方ありません。 プロなので、そういうことで心が乱されてはいけません。 でも、やっぱりがっかり(苦笑)。

 出発が遅れた理由は、先述の雷雨などのせいで空港周辺に雷のおそれがあったためでした。 空港周辺に深刻な雷の可能性があると、地上で働く人達や給油車などに危険が及ぶこともあるので、そういう場合は一旦全員建物内に避難するということになっています。 そのため、空港の機能が一時的に麻痺し、飛行機の出発・到着に大きな遅延が発生するということです。 

 結局、出発時刻は00:50zから00:33zに少しだけ早まり、その時間が来たらすぐさま離陸。 カルガリー空港には予定よりも30分遅れで到着しました。  その後、すぐさま荷物をまとめ、ビクトリア便が出るゲートまで早足で向かいましたが、残念ながら僕がゲートに到着したときにはその便はゲートを離れ、プッシュバックを始めていました。 幸い、バンクーバー経由ビクトリア行きの便に振り当ててもらい、なんとかビクトリアに帰ってこれました。 

 ここ最近は雷雲を避けながらのフライトが続いていて、結構精神的に疲れます。 冬は雪・気温、夏は雷雲。 カナダで飛ぶパイロットはなかなか大変です。


(つづく)