2015-12-21

ジェット機訓練 - Phase 2-

 Phase 1が終わった後、10日間のお休みがもらえたのでビクトリアの自宅まで帰ってきました。 2週間ちょっと自宅を開けていたので、いろいろとやらなければいけないことがあって、最初は毎日バタバタとしていました。 僕はなるべくONとOFFをはっきりさせたほうが学習能力が上がると思っているので、ビクトリアに戻ってきてからしばらくは訓練のことはあえてなにも考えず、マニュアル等もまったく開きませんでした。 そして、訓練に戻らなければならない数日前からまた復習を始めました。 

 




 うちの猫・パンダも僕の勉強のお手伝いをしてくれました(笑)。 主にIPTで学んだことを復習し、緊急時の対応手順の暗記をしたりしました。 

 緊急時、例えばエンジン火災が起きたりした場合の初期対応(drill)はすべて暗記項目(memory item)になっています。 項目の数は6つほどですが、内容、手順、付随するコールなどを暗記しなければいけません。 Dash8に比べると内容は簡略化されているように感じましたが、理屈は同じような感じです。 ジェット機であれプロペラ機であれ、対応はよく似ていますので、覚えるのはさほど難しくはありませんでした。 ジェット機とターボプロップ機の違いについてはまた後日別に書こうと思います。

 10日間の休みの後、またトロントに戻りました。 今回もまた3週間ほどの滞在でした。 Phase 2はフルモーションシミュレーターでの訓練でした。 いよいよ実機と同じコクピットでの訓練なので否応なしに気分が盛り上がります。 ただ問題が一つ。 それは訓練の時間帯です。 僕と僕のトレーニングパートナーの訓練時間枠がなんと午後9時から午前3時でした(涙)。 これがず〜っと続きました。 最初の数日はしんどかったです。 ですが、それからはだいぶ体も慣れました。 だいたい毎日、

  •  起床は午後1時か2時(笑)
  •  朝食後、他所のホテルにあるスタバまで散歩し、そこでコーヒーを飲みながら勉強
  •  午後6時頃にランチ(夕食?)
  •  午後8時半に訓練へ
  •  翌日午前3時頃訓練終了、夜食(夕食?)
  •  午前4時頃にホテルのフィットネスルームにて運動
  •  午前5時から6時頃就寝

 っていうスケジュールでした。 無茶苦茶ですよね(苦笑)。 でも、シミュレーターは使える枠が限られているし、シミュレーターを使うのは僕らだけではなく、新入社員パイロットの訓練や、既にラインで飛んでいるパイロットの資格延長のためにも使われるので、1日20時間近くフル稼働しているんです。 それなので我々の訓練は夜のスロットに充てがわれたみたいです。 こればっかりは仕方ありません。 朝4時頃にウェイトを上げたり、トレッドミルで走っているのはなんとも不思議な感じがしました。 世界は眠っているのに僕だけ起きているような感じがして、それはそれで奇妙で面白かったです。



 (写真:シミュレーター施設の受付に会ったレゴ人形とシミュレーターの模型)



(つづく)

 


2015-12-13

ジェット機訓練 - Phase 1-


 今回の訓練は大きく分けて3つのフェーズに分かれていました。 内容はだいたいこんな感じです:


フェーズ1: IPTを使った訓練
フェーズ2:フルモーションシミュレーターを使った訓練とPPC
フェーズ3:フルモーションシミュレーターを使ったCRJ-705のdifference course

フェーズ1の「IPT」というのは「Instrument Procedure Trainer」と呼ばれるもので、下の写真のような装置です。





 以前のDash-8の訓練でも同様の装置を使って訓練をしました。 これはいわば「シミュレーターのシミュレーター」というもので、フルモーションシミュレーターに行く前に基本動作などを学ぶための装置です。 後ろには教官が操作するPCがあり、そこでいろいろな状況を創りだしたり、飛行条件を変えたり、故障を(意図的に)引き起こしたりします。 

 画面はタッチスクリーンで、それ以外にはFMS (Flight Management System)やスラストレバーやオートフライトコントロールのスイッチ類などがあり、それらは実機と同じ物です。 

 これを使ってやる訓練はまずは「Flow」を学ぶことから始まります。 「Flow」というのはチェックリストの暗記項目のことで、離陸前のチェックリストや離陸後のチェックリストなど、チェックリストの項目のほとんどは丸暗記しなければいけません。 数が結構あるので暗記するのには時間がかかりますが、名前が暗示するとおり、チェックする項目はある程度の流れ(flow)が決まっています。 例えば、
(写真はhttp://www.proprofs.com/より拝借)

 この写真はCRJではありませんが、この写真に示してあるように、まずは①、そして②,そして③,そして④,というふうに流れがあって、その流れに沿って必要項目をチェックしていくわけです。 ですから、右から左に飛んで、さらに右に戻って、また左に戻ってというような効率の悪いフローはないと思います。 だいたいは「一筆書き」のように一つの線でつなぐことができるような流れが決まっていて、それを覚えるわけです。 説明が下手で申し訳ないですが、だいたいの雰囲気はわかってもらえたかと思います。 フローは頭で覚えても実際には出来ないことが多いので、こういう装置を使い、実際にフローを体でやってみて、体の筋肉に動きを覚えこませることが重要になってきます。 (マッスルメモリーってやつですね)

 フローを覚えるために、僕は訓練の1ヶ月くらい前からマニュアルに書いてあるフロー項目を暗記カードに書き出して少しずつ覚え始めました。 先輩パイロットから、「フローを暗記してから訓練に挑めばだいぶ楽だよ」っていうのをよく聞いていたので、そのとおりフローの大半は暗記してから訓練を始めました。 確かにフローを覚えてさえおけば他の訓練項目に集中できるので、効率のよい訓練が出来たと思います。 それにしても、IPT訓練中にフローをど忘れしたときに出る冷や汗はとても気持ちが悪いものです(笑)。 

 このIPT訓練を9セッションやりました。 途中で数日間の休みが入ったり、他にも座学の日があったりしたので、フェーズ1は期間にして2週間強でした。 フェーズ1が終わってからしばらく休暇がもらえましたので、自宅があるビクトリアに戻りました。


(つづく)

2015-12-10

ジェット機パイロットになりました。

 どうもお久しぶりです。 ちゃんと生きています(笑)。 

 前回の投稿からかなり時間が空いたのには理由がありまして、実は最近になって今まで乗っていたターボプロップ機「Dash-8」乗務から、ジェット機「CRJ」乗務に異動になりまして、そのための訓練を受けていました(今もまだ訓練中ですが)。 この訓練が長くて、10月末に始まり、11月中は10日ほどの休みを除いてあとはずっと訓練、そして12月も中旬まで訓練というスケジュールでした。 昨日、CRJのPilot Proficiency Check (PPC)に合格しまして、僕にとっては初めてとなるジェット機の操縦資格を取得しました。 訓練内容などについてはまた後日別の投稿で書こうかと思います。

 CRJという飛行機は「Canadair Regional Jet」という名前の頭文字を取ってつけられた名前で、「シーアールジェー」と一般的に呼ばれます。 略して「RJ」と呼ぶ人もいます。 この飛行機、カナダ・ボンバルディア社が製造している小型ジェット機で、日本でもJ-AIRとIBEXなどが飛ばしています。 僕が働く会社ではCRJ200という型と、CRJ705という型の2種類を運航していて、僕はそのどちらにも乗務することになります。

 (写真上:J-AIRのCRJ-200 ウィキペディアより引用)

 CRJ-200は50人乗りの小型リージョナルジェット機です。 もともとはボンバルディアが製造している「Challenger」という飛行機をベースに胴体を引き伸ばして作られた飛行機なんだそうです。 この「チャレンジャー」は世界各国の裕福なセレブ達のプライベートジェット機として人気の小型ジェット機です。 

(写真上:一般的なCRJ-200のコクピット内 同じくウィキペディアより)

 CRJのコクピットは通称「グラスコクピット」と呼ばれるもので、従来の計器類をほぼすべてCRTスクリーンなどで置き換えたデザインになっています。 真ん中の2画面がEICAS(アイキャス)Displayという画面で、そこに主にはエンジン計器類や着陸装置、フラップの位置情報、または乗務員への警告メッセージなどが表示されます。 各操縦席の前にはPFD, MFDと呼ばれる画面が計2つあり、それらで飛行機の位置や姿勢の情報などを表示できるようになっています。 今まで乗っていたDash-8は古風な飛行機(笑)だったので針で表示されるタイプの計器がたくさんありましたが、今回のCRJはだいぶモダンな感じがします。
 
 
(写真上:CRJ-900 またまたウィキペディアより)

 CRJ-705は、CRJ-900という飛行機の座席数を75席に減らし(契約上の理由によるもの)、Jクラス(ビジネスクラス)を設定した配列になっている飛行機です。 CRJ-200に比べると胴体が長く、とても凛々しい「飛行機らしい」見た目になっています(個人的な見解ですが)。

 日本ではあまりCRJに乗る機会はないと思いますが、北米ではとてもポピュラーな飛行機です。 ヨーロッパでもCRJを運航している会社(リージョナルエアライン系)が多いそうです。 
 
 だいたいのお客さんはCRJ(またはDash-8もそうでしたが)を初めて見ると「んやだ〜、ちいさ〜い(苦笑)」という声を上げます。 確かに日本でよく見るボーイング737やエアバス320などと比べたら小さいです。 ですが、CRJは実際はスポーツカーみたいな高性能をもった飛行機なのです。

 巡航高度、巡航速度などを見ると他の中型〜大型旅客機に匹敵する、もしくは上回る性能を発揮します。 実際、以前にエアバスのコクピットのジャンプシートに乗っけてもらった時、その上2000フィートを僕の会社のCRJ-705がすいすい〜っと追い抜いていったことがあります。 その最高速度、約マッハ0.82~0.85となっていますから、限りなく音速に近い速度で巡航することができます。 こりゃすごい!(笑) 
 
 ジェット機の飛行経験があると将来に役に立つということで今回ジェット機乗務への異動をリクエストしました。 今まで飛ばしていたDash-8にもようやく慣れ、毎日のフライトが普通にこなせるようになって楽しくなっていたところで今回の異動。 またゼロからのやり直しです。 さすがにこの会社で2年弱働いてきたので運航の基礎はわかっています。 ですから、今回の訓練は初めてDash-8の訓練を受けた時よりはスムーズにいったという感じがしましたが、やはり新しいことを学ぶにはかなりのエネルギーが必要になるということを再確認しました。 脳がとても疲れました(笑)。 しばらくは訓練は遠慮したい気持ちです。
 
 あと数日で訓練プログラムもすべて修了します。 そしたらようやく自宅に帰れます。 自宅で4日ほどゆっくりしたあと、line-indoc(実際のフライトを通して行うOJTのようなもの)が始まります。 これをクリアして、最終的にline checkをパスすると晴れて一人前の副操縦士として認められることになります。 CRJだと飛ぶルートも、速度も、目的地も違うので、これも学び直さなければいけません。 しかも、JFKやWashington DCといったアメリカの忙しい空港にも行くこともあります。 そう考えると結構緊張します。 Line indocでは最初はカナダ国内、それからアメリカのヒューストン(テキサス州)まで飛んでいきます。 ヒューストンは片道4時間近くのフライトです。 今までは最高でも2時間くらいしか飛ばなかったので、そういうところも慣れていかなければいけません。 
 
 なにはともあれ、ジェット機のパイロットになれたというのはとてもうれしいです。 今までDash-8を飛ばせたことにも感謝しています。 飛ばしていて楽しい飛行機でしたし、一緒に飛んだ機長達もいい人が多くて良い経験をいっぱいできました。 これからはジェットなのでだいぶ環境が変わりますが、きっと楽しいことが待ち受けていると信じて、頑張っていこうと思います。
 
 以上、ご報告でした。
 
 
(つづく)
 



2015-10-15

9年が経ちました。

 今年も明日が10月15日。 パイロットになると決めてカナダの地を踏んでからあっという間に9年が経ちました。 いよいよ10年目突入です。 9年間の間には仕事の面でも私生活の面でもいろいろなことがありました。 仕事に関してはある程度満足の行く達成度に辿り着けているように思います。 ずっと夢見ていたエアラインパイロットとして仕事をさせてもらっていますし、それで何ら不自由のない生活ができています。 大きな病気もせず、ここまでやってこれました。 自分自身の努力だけではここまではこれなかったと思います。 今まで僕の好きなようにさせてくれた母親、ここカナダでいつも助けてくださる先輩方、日本に帰るたびに時間を割いて会ってくれる友人達。 本当にありがとうございます。 これからもこの調子で頑張っていければいいなと思います。 

 僕がカナダに来た9年前の今日はまだまだ暑かったことを覚えています。 到着してすぐにサイクリングに出かけ、カナダらしいカエデの葉っぱがたくさんサイクリングロードに落ちていたのが印象的でした。 今年はその頃に比べると少し寒いかな?と思います。 日中は暖かくなりますが、朝晩は冷え込みが強くなってきました。 先週は今年始めて飛行機に霜が降りていて、出発前に氷を落とすためのde-icingをやりました。 De-iceをするときには、出発ゲートを離れてからde-icing bayという場所まで移動します。 移動の前には無線で「これからそちらに向かいますよ〜」的な連絡を入れるんですが、そのやり方をすっかり忘れていました(笑)。 その日飛んだ機長も同じ感じで、一緒に1年前にやった手順や周波数などを確認しながらde-ice bayに向かいました。 一度やると勘が戻ってきたので、次からはスムーズにできると思います。 今年もまた雪や氷と戦う季節がやってきました。 面倒臭いです(笑)。

 ここ最近はロッキー山脈も雪化粧をしています。 デットヘッドの写真ですが、新雪が見れると思います。 やっぱりロッキーは雪を被ったほうが「それっぽい」と思います。 
 




 今年こそはカナダでスキーに挑戦したいな〜と思う今日このごろです。  



(つづく)




2015-09-23

日本で夏休み その2

 なんやかんやありましたが、なんとか成田行きの便に乗れました。 機材はドリームライナー(ボーイング787型機)。 以前にも乗ったことがある、とても快適な飛行機です。 あいにく3列席の真ん中。 となりの高校生らしい白人は態度が悪く、ずっと寝てました。 反対側は中国人のおばあちゃん。 どうやら家族で旅行しているようですが、息子(孫?)は通路を挟んで反対側に座っていて、イヤホンをしてゲームに夢中。 おばあちゃんは明らかに飛行機に慣れていない様子。 シートベルトの締め方もわからないし、エンターテイメントの画面の操作も当然わからない感じ。 なんだか可哀想になってしまって、フライトアテンダントの人にイヤホンを持ってきてもらって、それをおばあちゃんに渡し、勝手にエンターテイメントで中国映画を選んであげました。 そしたらおばあちゃんはますます陽気になり、がんがん喋ってきました(笑)。 なんにもわからなくて飛行機に乗るのは大変ですよね。 少しでも楽しんでくれたらいいな〜と思いました。

 成田に着き、SIMカードを購入後、リムジンバスで羽田に移動。 そして小松空港行きの全日空機に乗りました。 日本では「Employee travel pass」とかっていっても通用しないことが多く、今までは「カナダの〇〇系の航空会社で働いているんですが」っていっていました。 今回もそうしようと思ったら、感の良い地上スタッフの方が「あ、スタッフトラベルですね〜」って言いました。 なるほど、日本では「スタッフトラベルって言えばわかってもらえるんですね」と納得。

 実家についたのは夜でした。 暗闇の中、田んぼの側を歩いていたら、いきなり「ミンっ」っていう音が聞こえ、めちゃくちゃ驚きました。 そうでした、日本にはセミがいるんです。 カナダにはいない(少なくとも僕が住んでいるところの周りにはいない)ので、久しぶりの蝉の声にビビりました(笑)。

 次の日、福井駅前のレンタカー屋さんで軽自動車を借りました。 日本で車を運転するのは実に9年ぶりくらいです。 レンタカーも結構安くなってきたんですね〜。 3日間車を借りました。 左側通行はそんなには難しくありませんでしたが、周りに車がいないとついつい右側に行きたくなってしまいます(笑)。 母親を乗せて親戚の家に言った時も、ついつい右側を走ってしまいました。 車が多いところだと他の車についていけばいいので右側を走ることはありませんけど。 あと、やっぱりウインカーとワイパーを間違えて、晴天なのにワイパーを動かしていました。 



 親戚の家に遊びに行った以外には、念願の海での釣りにも出かけました。 浜でのキス釣りがずっと前からしたくてしたくて。 そのためだけに帰国したといっても過言ではありません。 子供のころは海まで釣りに行くには自転車で行くしか方法がなかったので、おとなになって車を持つ日が来たら海に釣りに行くと決めていました。 ところが、車を持ったあとも住んでいたのは大阪だったり、なんやかんやで忙しく、そしていつのまにかカナダ行きを決めてしまって車を売却することになってしまったので、「車で海釣り」の夢は果たすことが出来ていませんでした。 それが今回、ようやく叶いました。 






 結局、釣れたのはシロギス3匹だけでしたが、釣りにいけたということだけで満足でした。 シロギスは母親に天ぷらにしてもらい、おいしく頂きました。 



(つづく)

2015-09-18

日本で夏休み。

 先月の終わりから1週間ほど日本に帰国しました。 今回は、前々からず〜っとやりたかったことの一つ、「日本で釣りがしたい」という希望を叶えるために帰国しました。

 出発当日、いつものようにスタッフトラベルでシートをブッキングしてあって、混み具合を見てみても全然問題ありませんでした。 Air Canada rouge(ルージュ)のバンクーバー・関空便で帰国するつもりでビクトリアからバンクーバーへ向かいました(これはいつも僕が飛ばしている路線なので、お客さんとして乗るのはなかなか新鮮です)。 バンクーバーに無事到着、国際線ターミナルの方に向かい、ゲートで搭乗手続きが開始されるのを待ちました。

 この便、空席が80席近くあり、余裕だな〜♪なんて思っていたのですが、まさかの展開に・・・。 前日に既に席が割り当てられていたので、搭乗手続きが開始されたらゲートに行って、パスポートと搭乗券を見せて、さ〜帰るぞ〜!って思っていたら、ゲートで搭乗券をスキャンしたら嫌な音が(苦笑)。 地上係員の人に

「あなたの席はないみたいですね」

って言われました。 ん?? どういうこと? 80席以上も空席があるのに、乗れないの? って思っていたら、日本人の係員の人がぼそっと、

「load restrictionがかかっているんですよ〜」

って言いました。 

 Load restriction。 つまり、重量制限。 いや〜な汗が流れました。 結局、出発の数分前にドアが閉められ、僕は乗れず、そのボーイング767は僕を残して大阪・関空に向けてプッシュバックを開始しましたとさ・・・(涙)。

 後で聞いた話によると、ちょうど大型の台風が関西付近を通過するという予報が出ていて、そのためにどうやらパイロットはいつもよりも余分に燃料を積んでいたようです。 まあ、それはわかるとしましょう。 でもねでもね、たった体重60キロほどの細身の僕一人くらい乗せることはできるんではないの〜?っという気持ちにもなりましたが、そこは機長の判断です、どうしようもありません。

 仕方なく、ゲートに残り、携帯ですぐさま東京行きの便に乗れるように手続きをしました。 出発は1時間半ほど後だったと思います。 その便もそこそこ空席があったので、今回は大丈夫だろうな〜と思ってゲートへ。 またも同じ係員の人で、「今回は乗れますよ〜♪」っと声をかけてもらえ、ちょっと安心。 待っている間に東京から小松空港までの便の予約もスタッフトラベルで入れ、これで一安心。 今回はなんとか乗れましたが、3列席の真ん中の席で、高校生らしい態度の悪い若者と、英語がまったくわからなくて、中国語で僕に話しまくってくるおばあちゃんの間に座っての9時間ほどのフライトになりました。 スコッチとウイスキーのおかげでそれほど苦にはなりませんでしたけど。


(つづく)


2015-08-16

乳房雲。

 ここしばらく特に雷雨もなく、穏やかな気候になったな〜って思っていたら、やっぱり夏はまだまだ本番のようで、積雲やら積乱雲やらがカルガリー周辺に発生することが多々ありました。 

 昨日の最後のフライトで、エドモントンからカルガリーまでの便でのこと。 途中から雲の中に入り、外が見えない状態でフライトしていました。 予報ではちょうど我々が到着するころに30%の確率で積乱雲が発生するとなっていました。 当然ながら気象レーダーをONにし、前方に積乱雲らしい雲がないかに気を張りながらフライトしていました。 途中で雨が降ってきました。 でも、レーダーにはまったく反応がありません。 さほど水分を含まない雲なんだろうと思いながら飛行を続けました。 しばらくすると、どんどん乱気流が強くなってきました。 そしたらいつの間にかレーダーには真っ赤な雲のイメージが映し出されていました。 レーダーに映しだされるイメージは緑色(まあたいしたことはないけど、水分を含んだ雲)、黄色(そこそこ水分がある雲=揺れる、着氷の可能性もある)、そして赤(たっぷり水分を含んでいて、乱気流、着氷、その他もろもろあるので絶対避けたほうが良い雲)という風に色と形で雲の状況を表示するようになっています。 赤いレーダー反応があったので、急いで管制官に右方向に進路を変更する許可をもらい、進度を20度ほど右に降りました。 結構揺れたのでお客さん達も怖かったんじゃないかな〜と思います。 結局数分で雲を抜け、後ろのほうをみてみるとまあ立派な積乱雲がありました。 レーダーは便利だけど、たま〜にあてにならないこともあるんですよね。 一昨日のフライトでも積乱雲を避けてフライトしまして、それも結構揺れました。 

 カルガリーに到着後、空を見上げると乳房雲っぽい雲が出ていました。 英語では「mammatus(ママタス) cloud」という雲です。 ぼこぼことした「こぶ」のようなものが見える雲のことで、これが見えるときは乱気流などが起こりやすく、一般的には避けたほうが良い雲とされています。 僕が事業用操縦士の資格のための勉強をしていたときにこの雲のことを気象の授業で習った記憶があります。 Mammaっていうのがラテン語で「乳房」という意味らしく、こぶが乳房のようなのでその名が付いたそうです(ウィキペディアより)。 Googleで「乳房雲」と検索してもらうともっと凄い写真がいくつも見れると思います。


 昨日まで約2週間の連続勤務で、昨日の夕方に自宅のあるビクトリアに戻ってきました。 今日から5連休です。 キッチンのタイルの張替えなんかをしてみようかな〜なんて目論んでYouTubeを見ながら勉強しています。


(つづく)